「あー、そういう意味では私も賛成だな。あの喰えない男の思惑は置いといて、柚珠奈に大人の階段上らせる必要はあるもんね」

ひよりちゃんも由紀ちゃんも納得したみたいで、話は終わったとスッキリした表情だけど、私はそうじゃない。

樹くんもひよりちゃんも由紀ちゃんも、同い年なのにまるで私の事を子ども扱いだ。しかも大人の階段ってなんかいやらしい。

「とりあえず、柚珠奈にとって重要なタイミングなのは間違いないからね。私も由紀も全力で楽しむから、安心してよ」

ぽんっと肩を叩いて言われて、じろりと睨む。

「それ、楽しむじゃなくて協力するの間違いじゃない?」

「あ、そっか」

確信犯の笑みで答えるひよりちゃんと私の会話が漫才のようだと笑った由紀ちゃんの、宣言のような言葉で話は終わった。

「ちゃんと両方するわよ。楽しむのも協力も全力で、ね」