ま、それも正しいと思う。

ど平凡で、クラスでも目立たない部類に入る私があんな美しい王子様に毎日迎えに来てもらってるんだもん。私だって、その光景を見る側だったら間違いなく陰口言ってた。

その結果私は毎日、樹くんへの悲鳴のような歓声と私へのやっかみに満ちた怨嗟のオーラを感じながら、極上の笑みで私を待つ彼のもとへと歩いたのだ。あれが人生で初めて『針のむしろ』を体感した時だと思えば貴重な体験をしたと笑えるのかもしれない。
でも、高校生の私にはそんな開き直りなんて出来るはずもなくて‥‥‥。

完全トラウマになった高校時代は、私に樹くんへの恋心を完全に抹殺する決意をさせた。