「ベッドルームってなんでって、え?」

初めて入った樹くんのベッドルームだけど、お部屋を観察する余裕なんて全然ない。そのまま、大きなベッドに寝かされた。

「柚珠奈の初めては全部俺と一緒、でしょ?せっかく両想いになったんだからね、大人な初めても経験しよう?」

私の上に覆い被さる樹くんは甘くて、その視線は熱っぽい。私は恥ずかしくなって、思わず視線をそらせた。

「あの、でも、そんな急にって‥‥」

「ダメ?」

「ダメじゃない。けど、急すぎるって言うか、あの‥‥」

急過ぎて、樹くんが纏う空気が甘過ぎて、しどろもどろな言い訳しか出てこない。

「急じゃないよ。俺はもう十分待った。柚珠奈がダメじゃないなら、やめない。だから、こっち向いて俺を見て」