シルディーヌが王太子令が発行されていることをベースに「望みが薄い」と話すと、ペペロネたちはびっくりするやら残念がるやら、ひとしきり騒いだ。

うっかり『ひとりでできるわ』宣言をした事は話したくても話せず、「怖いけれど、勇気を出して騎士団長にお願いしてみたらいいわ」と勧めてくるキャンディに苦笑いを返すしかない。


シルディーヌが王宮でするべきことは、至極単純なはずだった。

侍女をしながら婿探しをする、たったそれだけのことだ。

一生懸命仕事をする傍ら、素敵な貴公子に出会って恋におちたり、貴族方に気に入られて思いもよらぬ縁談をいただいたり。

はたまた外国の麗しい殿方に出会って、燃える恋をしたりなど、大きな夢と憧れを持ってワクワクしながら田舎を出てきた。

しかし現実は厳しいもので、婿探しは難航、仕事は難儀、ついでに、ドSな幼馴染みは難解だ。

アルフレッドを観察し、フリードが言っていたような“団長が怖いのはシルディーヌ”である要素を探しているが、ちっともそんな素振りがない。

変わらずにイジワルなことを言い、シルディーヌが仕事に苦労して、ぷっくり膨れて文句を言うのを楽しんでいるようだ。

毎日がんばって掃除をしているおかげで、黒龍殿は綺麗になりつつある。

そして、“快適空間作り”に知恵を絞って実行しているが、思うような成果は得られていない。

昨日執務室にお花を飾って、書状を読み終えたところのアルフレッドに訊ねてみた。