その日の夕食は、ポテトのキッシュにフィッシュフライに野菜スープ。

それにおかわり自由の焼き立てパン。

今夜もシルディーヌは、ペペロネたちとおしゃべりをしながらテーブルを囲む。

新米侍女仲間たちの醸し出す明るくて柔らかい雰囲気は、シルディーヌにとってはお腹も気持ちも落ち着く最高の癒し時間。

今日は動きっぱなしでお腹がペコペコで、パンの香りを嗅ぐだけでお腹の虫がグーッと鳴る。

食堂には手のひらサイズの黒パンと白パンが山盛りに用意されており、取り皿に三個ずつのせると、それだけで幸せな気分になった。とても単純である。

そんなにこにこ笑顔のシルディーヌを見、キャンディが目を丸くして驚いた後にクスッと笑った。


「まあ、シルディーヌったら、すごくうれしそうね。でも、そんなに食べられるの?」

「ええ、もちろんよ。今日はこれだけじゃ足りないかもしれないわ」

「シルディーヌは、もともとよく食べるほうなのかしら? そんなに細いのにいったいどこに入るの? 太らないなんて、うらやましいわ」


ペペロネも感心するような声を出し、自身のお腹をこっそりとさすった。