どこかで「ドドーン!」と、なにかが爆発するような音が聞こえる。
それに連動するように、建物が小刻みに揺れた。
「え、え、え、なんの音? なにが起こってるの?」
訳が分からず恐る恐る窓から外を見ると、森の木々の間に小さな灯りが見え隠れしていた。
その小さな灯りはたくさんあって、この建物をぐるりと取り囲んでいるように見える。
「あれは、なに……?」
そうつぶやいた瞬間、再びドドーン!!と轟音が響き、建物が大きく揺れた。
窓がビリビリと揺れて、天井から埃がぱらぱらと降ってくる。
「きゃあっ」
あまりにも恐ろしくて、シルディーヌはテーブルの脚にしがみついた。
もしかしたら天井が落ちてくるかもしれない。
そう考えるとサーッと血の気が引き、テーブルの下に潜り込んで両手でしっかりと脚にしがみつき直した。
にわかに建物内が騒がしくなって、男の怒声やたくさんの足音や女性の悲鳴が聞こえてくる。
「みっ、みんな大丈夫なのかしらっ」
震えながらもペペロネやほかの女性たちの心配をして、無事を祈りまくっていると、ふと急に静かになった。
怒声も足音も聞こえず、女性の声が微かに聞こえる程度。
「終わったの?」
嵐だったのか?
雷だったのかも?
それにしては、恐ろしく揺れた。
それに、松明のような灯りの群れも気になる。
周りの状況を確かめようとしたシルディーヌがテーブルから手を離した瞬間、ドカッ、バキッ、と今度は部屋の扉が大きな音を立て始めた。


