「いいなー」 何よりも羨ましいのは、周りを気にせず自由に音を出せること。 しかもグランドピアノで。 「いつでも来たら弾かせてやるよ」 わたしがピアノにしがみついてると祐介が言った。 「ほんと!?」 「俺たちも結構よく来てるもんな」 「へえー。そうだったんだ」 部室を使える時間は限られている。 だからってスタジオを借りたら結構高い。 他のバンドメンバーからしたら、この環境、羨ましいだろうな。 こんなところで練習できるなんて、とても贅沢だ。