ピンポーン。



週末、リビングで両親と過ごしていた。


緊張する気持ちを抑えて、玄関へと向かう。立っている人物に笑みを見せた。


尚輝も笑みを浮かべるが少し緊張しているのが伝わる。



「尚輝、いらっしゃい。」


「お邪魔します。」



尚輝をリビングへと案内する。親には前もって尚輝が挨拶に来ることを伝えてある。


お父さんがリビングのソファーに、お母さんはコーヒーを淹れる為にキッチンへと向かった。


尚輝とソファーに並んで座った。



「ご無沙汰しております。佐伯尚輝です。」


「朱里がお世話になってるようで。」


「いえ、お付き合いを認めて頂いており感謝しております。」



さすがは副社長だ。馴れた感じで話を進めている。


お母さんがコーヒーをテーブルへ置き、お父さんの隣に座った。


緊張が高まる。



「っで本日は話があると朱里から聞きましたが?」


「はい。」



尚輝がお父さんと会話を進める。その様子に動けないでいた。