料理をたべながら尚輝が呟く。



「今日、実は朝から朱里の事を考えてた。」


「えっ?」



尚輝へと顔を向ける。手を止めて私を見つめる尚輝の目と目が合う。



「俺と暮らすことに乗り気じゃないのは見え見えだったから。」


「それは親に何て話せばいいのか悩んで。」


「それ聞いて安心した。朱里は俺と暮らしたい?」


「…………一緒にいたい。でも怖いのもある。」


「怖い?」



尚輝から料理へと視線を落とし、思っている事を話し始めた。



「ずっと一緒にいれば、知られたくない事もあるし、嫌われたらって思うし。」


「俺も同じだって話しただろ。」


「私は嫌わない自信ある。尚輝のありのままを見てきた気もするし。」


「俺も同じ。朱里を嫌うなんてない。」



尚輝の手が料理へと視線を落としていた私の頬へと伸びてきた。


自然と尚輝の顔へと目を向けていた。