そのあと先生は自分の本名を言って自信持って一歩前に出て相手に一歩引かせるような勢いでした。これまで強気でいたデニアルも心が折れました。自分は何も持っていなく対抗できないという悔しさに哀れんでいるのです。
 先生は確かにいつでも強気な女性ですがここまで強気になるのはデニアルにだけです。先生は3年間連続で僕達Aクラスの担任なのです。だからもうこの茶番劇は見慣れています。デニアルは1年の頃からずっとこんな感じで天使授業外になると先生に喧嘩を売ったりします。
 一回デニアルは本当に怒ったことがあります。
 先生がいつものようにデニアルの口答えに答えて呪文を打ちました。しかしその呪文が対天使呪文であったためデニアルは自分が本当に殺されると思ってしまいました。でも先生が生徒を殺すわけありません。それに冷静に考えれば聖なる者が聖なる者のことを殺せるわけがありません。
 普通聖なる者を殺すには対聖用呪文銃が必要なのです。しかし天使を殺せる銃や呪文を持っているのは悪魔だけです。天界でも殺せるのは神だけ、でも普通の天使でも致命傷を与えられる呪文もあるのです。
 頭蓋骨にこの呪文が当たってしまったら衝撃が脳に響き致命傷が与えらるのです。しかし最大でも怪我は二日から三日で治ります。
 この呪文の名前は、『拷問』なのです。天使が悪いことをした時2、3日周期で撃つのです。椅子に座らせ拘束具をつけ一ヶ月撃ち続けるのです。この呪文を作った助手もエレモリー先生です。この呪文を知っているのはエレモリー先生と作った聖術師と聖警部隊です。この拷問を先生がデニアルを狙って撃ったのです。しかし先生は呪文を減速してかすり傷一つつかないぐらい弱めて撃ったのです。拷問は対天使用呪文に似ているためデニアルは怒ったと言うより自分の身を守るために本気になってしまったのです。
 その時先生に向かった禁忌の呪文『死界からの呼び出し(death of caller)』を撃ったのです。この呪文は一部の天使しか知らないはずなのになぜデニアルは知っているのでしょうか。デニアルは有名貴族の出身です。
 その有名貴族の名は『アステーナ』と言い始めて、対悪魔用呪文を作った人なのです。しかしこの時はまだ悪魔の資料がなく呪文で殺すことができませんでした。
 そしてアステーナ家は最悪の道へ進んでしまったのです。悪魔と手を組んで強力な呪文を作ってしまいました。それが禁忌の呪文『死界からの呼び出し(death of caller)』でした。しかしそれが天査問会にばれてこの呪文自体が封印されてしまいました。しかし苦労して作った呪文を静かに消されるわけにはいきません。禁忌の呪文をこの主人はどこかに隠そうとしました。そして思いついた場所が人の中なのです。
 しかしちょうど育ち盛りの聖力が伸び続けている子供がいいのです。育ち盛りだと封印した呪文も育っていくのです。封印した呪文はその人の体と同じになるのです。だから老人の中に封印してしまうと逆に衰えてしまうのです。そこで選ばれたのがデニアルでした。ちょうど育ち盛りだし聖術師になる才能もあったのです。
 だから将来この禁忌呪文を使って大暴れする心配も少ないのです。大暴れはしてませんがこの秘密になっていた禁忌呪文を使ってしまったのです。この禁忌呪文を使った相手が悪かったのかすぐに禁忌呪文だとバレてしまいました。
 禁忌呪文を使ったら周りの体力がなくなり周りの人がどんどん倒れてしまうのです。というよりこの呪文はバレてしまわないようにターゲット以外は記憶が飛んでしまうのです。だから先生以外の者達は覚えていなはずなのです。
 ですが一人このクラスには例外がいます。それはミントラなのです。ミントラは他の者よりLcED血悪細胞が多く禁忌呪文の時に対象者以外に降り巻かれる記憶損失が起ころないのです。しかし記憶損失はなぜ起きるのでしょか? その理由は天使の脳に流れているDGlB聖正細胞をLcED血悪細胞を本当に微量ですが空気と一緒に流し邪魔しているのです。その時のショックで起きるのが記憶損失なのです。しかし本当に微量なので後遺症が残ることがありません。
 天使にはDGlB聖正細胞という物が流れておりますが同時に悪魔にも流れるLcED血悪細胞も流れているのです。
 しかしこのLcED血悪細胞は天使の骨に流れており血には流れていないので副作用は起きないのです。だから対聖用銃はパワーで聖者の骨を砕き、中に秘めてあるLcED血悪細胞を体に振りまき殺すのです。
 しかし禁忌呪文は体にあるLcED血悪細胞を微弱にしてDGIB聖正細胞と混ぜ聖者に撃ち骨にあるLcED血悪細胞をDGIB聖正細胞で殺し微弱にしてあるLcED血悪細胞を聖者に打ち込むという呪文なのです。
 この呪文を撃つと確かに相手を確実ってほどの可能性で殺せますが自分への負担も激しいのです。