あーちゃんはくるりとこちらを向いて、私を抱きしめた。

「あーちゃん…?」

ああ、何かあったんだ。
この目を、私は知っている。


「風邪ひくぞ、アホ。」


そうだ。
初めて出会った日と同じ目をしている。

「ねえ、あーちゃん。何かあったんでしょ?教えてくれないと、話してくれないとわかんないよ…あーちゃん…」


あーちゃんは、腕を緩めて顔をこちらに向けた。視線をそらさず、互いに数秒見つめ合ったところで。あーちゃんは困ったように笑って、私にキスをした。