目を開けたはずなのに、 ここは真っ暗だ。 そうか、これが明晰夢というやつか。 手も足も自由に動かせて、なんなら歩くこともできる。 でも、私が私じゃないみたいだ。 感情の塊のような私じゃなくて、ここにいるのは空っぽな私。 ただここにいても仕方がないし、 一歩、また一歩と、少しずつ足を進める。 どれくらい歩いたのだろうか。 上も下もないような空間は変にムズムズする。