彼の匂いがする。
彼の寝息が等間隔で響く。
目を閉じた私の世界には、
彼の体温と寝息のほかに何も存在しないのだ。



次第に、音が遠のいていく。



触れ合う部分の熱だけがしっかりと残ったまま、音が揺れる。