それでもいいって、いったじゃん。

「そう…。わかった。」

「おかあさんも、なんや感やで母親らしさ残すのもうやめなよ。再婚したってなにも言わないよ。いい人できたら幸せになりなよ。この家にもしばらく、戻るつもりもないしさ。」



「まっ…まって!!」


「なあに、おかあさん。」


「病気…しないように、ね。それから、何かあったら相談することとそれから、」


いつでも待ってるから。



母がそう言ったそれを、
私はにっこりと笑って、


「うん、いってきます。またね、おかあさん。」
って笑って、外へ出た。
息が白く煙る。
冬の厳しい寒さに、もしかしたら永遠にこれが続くんじゃないかなんて子供の時は悩んだものだ。


ああ、なんだ。気づけば大人になって、四季を知ってしまった。
春が来ることが夏が来ることが、当たり前になってしまった。