それでもいいって、いったじゃん。

「お互い、なかなかロマンチストだな。」

「そうね、私もそう思う。」


なんだか不思議だなあって、
空を見上げる。

いくつになったって出会いはあって、
それはひょんなことからだったりするって、思ってはいたけれど予想外だった。


「風、冷たくなってきたね。初めて会話して間もない、それも女性相手にこんなこというのもなんだけど、うちきて話す?一応すぐそこなんだ」


そう言われて、返事をするより早く軽く頷いた。無言で、かつ浅くだけれど、彼はまたにこっとわらって、

「じゃあ、こっち。」

って、私の手を引いて歩く。


あ、好きだ。

1つ1つの行動に、揺さぶられ落ちていく。世界が、景色が、違って見える。


あなたと出会って、
私の世界は少し色が強くなった気がした。