「もちろんだけど、俺はお姉さんを愛せないよ。」 唐突な宣戦布告。 「何言って、」 動揺する声。 「俺愛されたいなんて言われた日には困っちゃうしな。どうする?」 ああ、幸せになんてなれないんだよ。 そりゃそうだよ。 試すわけでもないその純粋な言葉に、私は 「それでいいよ」 と、頷いていた。 引き返せないことは、わかっていた。 引き返す気だって、カケラもなかった。 踏み入れたら戻れないことなんて、 とうにわかっていた。