オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~

「……ごめんね柊介、私いつもこんなんで、ごめんね」
「謝ることじゃない。それだけ都が頑張ってきたってことだろう? 全部、俺が好きでたまらない都だ」

ぽろりぽろり、涙が零れる。
でももう泣いたりなんかしない。
私と柊介の幸せを授かったこの時に、涙なんて相応しくない。
私はぎゅっと目をつぶると、柊介の唇に自ら唇を重ねた。

優しいキスを長い時間続けておもむろに離れると、柊介は慈しみがこもった微笑を浮かべた。

「俺と都の子どもか。どんな子が生まれるのかな。都似の女の子だったら、俺、絶対親バカになる自信があるな」
「ええ?」
「『パパと結婚するの』とか言われたら悶絶する」

想像したのか、すでに悶絶しそうな顔をする柊介に失笑する私だったけれど、柊介似の男の子を想像したら、思わずきゅうんとなる。

「私も『ママ大好き』なんて坊やに言われたら、冷静でいられるかしら」

幸せを噛みしめて笑みを零すと、柊介が私を強く抱き締め、キスをした。
今度は、深い口付け。
湧き起こってきた甘い陶酔に崩れるように、押し倒される――が、柊介は動きを止めて苦笑った。

「これからは節制しないとな……」
「ふふ、できるの? 柊介」
「しないとだめだろ」

呻くように言う柊介に、ついイジワルめいた笑みを浮かべてしまう。

「浮気したら許さないんだから」
「するわけないだろ。俺の子を宿したこんなに素晴らしい妻がいるのに」

と、私のお腹をさすって、誓うように低く言う。
そのセクシーな声に、つい身体が甘く疼いてしまう。私だって寂しい。

「私の最高の旦那様。愛してる。永遠に」

ぎゅうと抱き着き、キスをする。
そんな私を逞しい腕で抱き包み、深く深くキスをする柊介だったけれど、低く呻いて名残惜し気に離れる。

「……だめだ、これ以上したら、抑えがきかなくなる」

と言う顔はベッドで見せる欲情に染まりきった顔だ。私がとことん弱い、セクシーな雄の顔。
直視できなくて横に顔を向くと、柊介の唇が首筋に食いついてきた。
欲に掠れた声が、快感と共に伝わってくる。

「都……」
「ん……」
「今夜は……優しく抱くから……」
「んっ……」

きゅうと肌を吸われて、甘い声で返事を漏らす私。
肯定と否定、どちらにとるかは柊介にゆだねる。

蕩けるように身を任せた私を、柊介はゆっくりと堪能し始めた――。


はじめまして。私たちの赤ちゃん。
あなたのパパとママは、こんなに仲良しだよ。

そしてこれからも、あなたが生まれてからもずっとずうっと、仲良しだよ。