「今日も働いたなー」
私の手を握ったまま、柊介がグイと伸びをした。
「今日もあっというまだったわね」
忙しかったけれど、打ち合わせも進展して充実した一日だった。しかも早く帰れるし。
帰ったら、お風呂に入ってさっぱりして、柊介と二人でゆっくりすごそう。
幸せだなぁ。
大好きな仕事を一生懸命頑張って。
いつもの帰路を、愛しい人と二人で行く、ささやかで優しい幸せだ。
「今日の弁当どうだった?」
「おいしかったよ。タコさんウィンナー、可愛いって言われた」
「はは、そうか。ちゃんと海苔で目を付けたのも分かった?」
「ええそうなの?」
「ガーン。細かい作業苦労したのに」
と、肩をすくめる柊介だけれど、想定内だったようで、がっかりはしていない。
ごめんね、と私は柊介の腕に猫のようにこつんと頭を寄せる。
すると柊介は職場では見せないような綻んだ表情を見せて、私の手をぎゅっと握りしめる。
「今夜は何か食べて帰ろうか?」
「ん。悪くないね」
という返事に判然としないものを感じたのか、柊介は少し間をおいて訊いた。
「今日も食欲ないか? なにか軽いもので済ますか?」
「……うん、そっちの方がありがたいな。今日は早く帰って休みたい」
「最近無理しているんじゃないか? ずっと食欲ないだろ」
「大丈夫よ。今夜ゆっくり休めれば元に戻るわよ」
柊介はまだ何か言いたげだったけれど、私の頑固さはよく解かっているので、もうそれ以上続けることはなかった。
私の手を握ったまま、柊介がグイと伸びをした。
「今日もあっというまだったわね」
忙しかったけれど、打ち合わせも進展して充実した一日だった。しかも早く帰れるし。
帰ったら、お風呂に入ってさっぱりして、柊介と二人でゆっくりすごそう。
幸せだなぁ。
大好きな仕事を一生懸命頑張って。
いつもの帰路を、愛しい人と二人で行く、ささやかで優しい幸せだ。
「今日の弁当どうだった?」
「おいしかったよ。タコさんウィンナー、可愛いって言われた」
「はは、そうか。ちゃんと海苔で目を付けたのも分かった?」
「ええそうなの?」
「ガーン。細かい作業苦労したのに」
と、肩をすくめる柊介だけれど、想定内だったようで、がっかりはしていない。
ごめんね、と私は柊介の腕に猫のようにこつんと頭を寄せる。
すると柊介は職場では見せないような綻んだ表情を見せて、私の手をぎゅっと握りしめる。
「今夜は何か食べて帰ろうか?」
「ん。悪くないね」
という返事に判然としないものを感じたのか、柊介は少し間をおいて訊いた。
「今日も食欲ないか? なにか軽いもので済ますか?」
「……うん、そっちの方がありがたいな。今日は早く帰って休みたい」
「最近無理しているんじゃないか? ずっと食欲ないだろ」
「大丈夫よ。今夜ゆっくり休めれば元に戻るわよ」
柊介はまだ何か言いたげだったけれど、私の頑固さはよく解かっているので、もうそれ以上続けることはなかった。



