「ううう、逢坂先輩、向居先輩ぃい、おめでとうございます、私達、もう嬉しくて嬉しくてぇ」
と、喜びに涙する一人と、
「ひどいですぅうう! 私達をずっとだましてたんですねぇええ!」
と、悲しみに涙する一人。
予想を上回る反応だ。
「いいんですか? お二人のお邪魔じゃないんですかぁ?」
「どうせいつも邪魔だと思っていたんでしょーから今更ですよね!」
正反対のことを言いながら俺と都のそれぞれ隣に座る二人を受け入れつつ、俺は都の殺意を孕んだ視線をスルーする。
「お二人とも、改めて本当におめでとうございます。もう本当に自分のことのように嬉しいです! 我が子の結婚を喜ぶ親のような気持ちというかぁ」
「ははは、親の気分とは参ったな」
白目をむきそうな都の前に、俺は大笑いする。
「でもお二人ともイジワルですよね! 私達が騒いでいたのをどんな気持ちで見ていたんだか」
「いやいや、鋭いなといつも思っていたよ。なぁ都」
「ほんと、参ったわよ」
「逢坂先輩の口から参ったが……!」とキャーと喜ぶ二人。
「あのね、あなたたちね、そうやって人を詮索する鋭さがあるならね、仕事で生かしなさいよね!」
「だって仕事以上に気になるんですもん」
「うんうん」
「逢坂先輩こそひどいですよー。ずーっと嘘ついてて」
「そうですよ。『お二人はお付き合いしてないんですか』って訊いたら、向居先輩はいつもにこにこして『ご想像におまかせするよ』って言っていたけど、逢坂先輩は『するわけないでしょ』って断固否定だったじゃないですかぁ」
「い、言えなかったのよ……私は秘密にしたかったから」
「どーしてですかぁ」
「あんた達みたいなうるさいのがいるからよっ」
ついに本音全開で目を剝く都だったが、二人は強気攻勢だ。
「ぜーたくです!」
「わがままです! 向居先輩みたいな超ハイスペッグと婚約しておいて!」
「それに、好きな人とお付き合いしていることを公表するのが、どうしていけないことなんですか?」
「そうですよ。逢坂先輩だって向居先輩のこと大好きなんでしょ」
「う……」
言葉に詰まる都。
よしいいぞ。よく言ったおまえら。
と、喜びに涙する一人と、
「ひどいですぅうう! 私達をずっとだましてたんですねぇええ!」
と、悲しみに涙する一人。
予想を上回る反応だ。
「いいんですか? お二人のお邪魔じゃないんですかぁ?」
「どうせいつも邪魔だと思っていたんでしょーから今更ですよね!」
正反対のことを言いながら俺と都のそれぞれ隣に座る二人を受け入れつつ、俺は都の殺意を孕んだ視線をスルーする。
「お二人とも、改めて本当におめでとうございます。もう本当に自分のことのように嬉しいです! 我が子の結婚を喜ぶ親のような気持ちというかぁ」
「ははは、親の気分とは参ったな」
白目をむきそうな都の前に、俺は大笑いする。
「でもお二人ともイジワルですよね! 私達が騒いでいたのをどんな気持ちで見ていたんだか」
「いやいや、鋭いなといつも思っていたよ。なぁ都」
「ほんと、参ったわよ」
「逢坂先輩の口から参ったが……!」とキャーと喜ぶ二人。
「あのね、あなたたちね、そうやって人を詮索する鋭さがあるならね、仕事で生かしなさいよね!」
「だって仕事以上に気になるんですもん」
「うんうん」
「逢坂先輩こそひどいですよー。ずーっと嘘ついてて」
「そうですよ。『お二人はお付き合いしてないんですか』って訊いたら、向居先輩はいつもにこにこして『ご想像におまかせするよ』って言っていたけど、逢坂先輩は『するわけないでしょ』って断固否定だったじゃないですかぁ」
「い、言えなかったのよ……私は秘密にしたかったから」
「どーしてですかぁ」
「あんた達みたいなうるさいのがいるからよっ」
ついに本音全開で目を剝く都だったが、二人は強気攻勢だ。
「ぜーたくです!」
「わがままです! 向居先輩みたいな超ハイスペッグと婚約しておいて!」
「それに、好きな人とお付き合いしていることを公表するのが、どうしていけないことなんですか?」
「そうですよ。逢坂先輩だって向居先輩のこと大好きなんでしょ」
「う……」
言葉に詰まる都。
よしいいぞ。よく言ったおまえら。



