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【柊介side】
こうして、俺と都の関係は、晴れて周囲に知られることとなった。
案の定、その反応は凄まじいものだった。
お似合いだと誉めそやされる以上に愉快だったのは、「あの逢坂都をゲッドするなんて」という男性社員からの反応だった。
本人は全く自覚していないが、都はかなり男から人気があった。
彼氏がいるからと誰もが表に出すことはなかったが、後輩同僚先輩の幅広い層で密かに都を狙う男達は多く存在した。
子猫のような小さな身体と愛らしい顔立ちはさることながら、負けず嫌いで勝気な努力家なところ、自分のそんな一面をクールに隠し通せていると思い込んでいる天然ボケなところ―――才色兼備に見えて実はそんな隙だらけなところが可愛くて堪らなくて、つい守りたい、かまいたいと男の独占欲にスイッチが入ってしまうのだ。
そんな都を今日からは堂々と俺のものとして扱える。
嬉しいやら誇らしいやら、世界中の賞賛を集めたとしても敵わないこの優越感にどれだけ俺が浮かれているか、都は知りもしないだろう。
見かけに反して派手なことを嫌がる都は、俺とは全く違って、今日のこの騒ぎにげっそりと疲れ切っていた。
だが、浮かれていたい俺は、イジワルと解かっていながら、わざとプライベート感を丸出しにして接してみる。
「都!」
公表した日の昼休憩の社員食堂。
その姿を見つけたなり俺が名前呼びすると、都はぎょっとして聞こえないふりをして逃げようとした。
めげずに俺はさらに話しかけ、
「待てよ都、一緒に飯食おう」
「ストップ!」
近付こうとするが、都はまるでじゃれついてくる犬を言い伏せるかのように、左手を突き出した。
その指には、指輪がキラリと光る。
俺はいっそう嬉しくなって笑いかける。
【柊介side】
こうして、俺と都の関係は、晴れて周囲に知られることとなった。
案の定、その反応は凄まじいものだった。
お似合いだと誉めそやされる以上に愉快だったのは、「あの逢坂都をゲッドするなんて」という男性社員からの反応だった。
本人は全く自覚していないが、都はかなり男から人気があった。
彼氏がいるからと誰もが表に出すことはなかったが、後輩同僚先輩の幅広い層で密かに都を狙う男達は多く存在した。
子猫のような小さな身体と愛らしい顔立ちはさることながら、負けず嫌いで勝気な努力家なところ、自分のそんな一面をクールに隠し通せていると思い込んでいる天然ボケなところ―――才色兼備に見えて実はそんな隙だらけなところが可愛くて堪らなくて、つい守りたい、かまいたいと男の独占欲にスイッチが入ってしまうのだ。
そんな都を今日からは堂々と俺のものとして扱える。
嬉しいやら誇らしいやら、世界中の賞賛を集めたとしても敵わないこの優越感にどれだけ俺が浮かれているか、都は知りもしないだろう。
見かけに反して派手なことを嫌がる都は、俺とは全く違って、今日のこの騒ぎにげっそりと疲れ切っていた。
だが、浮かれていたい俺は、イジワルと解かっていながら、わざとプライベート感を丸出しにして接してみる。
「都!」
公表した日の昼休憩の社員食堂。
その姿を見つけたなり俺が名前呼びすると、都はぎょっとして聞こえないふりをして逃げようとした。
めげずに俺はさらに話しかけ、
「待てよ都、一緒に飯食おう」
「ストップ!」
近付こうとするが、都はまるでじゃれついてくる犬を言い伏せるかのように、左手を突き出した。
その指には、指輪がキラリと光る。
俺はいっそう嬉しくなって笑いかける。



