「でもでも、最近は逢坂さんも、向居先輩に絡まれると嬉しそうですよね」
「え…!?」
「なんだかじゃれ合っているように見えて、私たちにはものすごぉおく眼福なんですぅう」
冷静をどうにか保つように努める私の背中に、冷や汗がにじむ。
「向居先輩と逢坂先輩ってほんとお似合いのカップルですよね」
「や、やめてよ、あんな引く手数多な男、付き合ったら疲れるだけじゃない」
思わず否定する私に、「その気持ちは解ります」と頷きあう後輩たち。
「向居先輩、実際モテモテですもんね。ほら、この前業務提携したIT会社の営業さんともいい感じだったし」
「あ、あのベンチャーの。あの営業さん起業メンバーの一人なんでしょ? 美人でしかもバリキャリのキレる女って感じだったけど、向居先輩を前にした時はちょっと表情変わってたよね」
「変わってた! あれは絶対トキメイていたよねー」
は? 知らないぞ、そんな話。
柊介が最近そっち方面の事業の協力をしているのは聞いていたけれど、そういう話は知らないぞ。そんなにハイスぺ女と会ったなんて、聞いてないぞ、柊介…!
ヘンなドキドキとモヤモヤを感じる。…なに気にしているのよ、私。柊介がちょっとイイ女としかも仕事で接したってだけで、こんなに動揺することないじゃない。…しっかりしてよ、私…。
「私、思うんですけれども、そもそも向居先輩自身が、なんか最近変わりましたよね」
「あ、分かる!」と相槌を打つ後輩とは対照的に、さらに焦る私。
「え、向居が変わったって、どういうところが?」
「私、思ったんですけれど」と後輩は探偵さながらに目を鋭くさせて、
「向居先輩、いよいよ本命の彼女ができたんじゃないかなって思うんですよね」
「え…!? 向居が…!?」
「はい。以前は完璧すぎるハイスペッグオーラで近付き難いくらいだったけれど、今はそれが消えてふんわりほんわかオーラが出ているというか。ピリッとした感じがなくなったように感じるんですよね。それって絶対恋の力だと思うんです」
恋の…力…。
私は薄笑いを浮かべた。
「え…!?」
「なんだかじゃれ合っているように見えて、私たちにはものすごぉおく眼福なんですぅう」
冷静をどうにか保つように努める私の背中に、冷や汗がにじむ。
「向居先輩と逢坂先輩ってほんとお似合いのカップルですよね」
「や、やめてよ、あんな引く手数多な男、付き合ったら疲れるだけじゃない」
思わず否定する私に、「その気持ちは解ります」と頷きあう後輩たち。
「向居先輩、実際モテモテですもんね。ほら、この前業務提携したIT会社の営業さんともいい感じだったし」
「あ、あのベンチャーの。あの営業さん起業メンバーの一人なんでしょ? 美人でしかもバリキャリのキレる女って感じだったけど、向居先輩を前にした時はちょっと表情変わってたよね」
「変わってた! あれは絶対トキメイていたよねー」
は? 知らないぞ、そんな話。
柊介が最近そっち方面の事業の協力をしているのは聞いていたけれど、そういう話は知らないぞ。そんなにハイスぺ女と会ったなんて、聞いてないぞ、柊介…!
ヘンなドキドキとモヤモヤを感じる。…なに気にしているのよ、私。柊介がちょっとイイ女としかも仕事で接したってだけで、こんなに動揺することないじゃない。…しっかりしてよ、私…。
「私、思うんですけれども、そもそも向居先輩自身が、なんか最近変わりましたよね」
「あ、分かる!」と相槌を打つ後輩とは対照的に、さらに焦る私。
「え、向居が変わったって、どういうところが?」
「私、思ったんですけれど」と後輩は探偵さながらに目を鋭くさせて、
「向居先輩、いよいよ本命の彼女ができたんじゃないかなって思うんですよね」
「え…!? 向居が…!?」
「はい。以前は完璧すぎるハイスペッグオーラで近付き難いくらいだったけれど、今はそれが消えてふんわりほんわかオーラが出ているというか。ピリッとした感じがなくなったように感じるんですよね。それって絶対恋の力だと思うんです」
恋の…力…。
私は薄笑いを浮かべた。



