オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~

「またツナサンドだけか? 体壊すぞ。朝もツナサンドだけだっただろ」

「タマゴサンドよ」


「同じだ」と言うと、柊介は声を潜めた。


「今朝はお前が二度寝するから悪いんだぞ。俺もつられた挙句、寝坊しちまったじゃないか」


「け、今朝は…!」とつい張るのを抑え、私も声を潜める。


「昨晩遅くまで人を寝かせなかったのは誰よ」


「俺だけど」と柊介は目をやわらかく細め、口端を上げる。


「嫌がるお前が可愛くてついつい」


その色気に満ちた微笑に赤くなるのをごまかしてぎろっと私が睨むと、柊介は「こわいこわい」と笑う。


「ま、今夜は早く上がれよ。俺が栄養バランスのいい料理をつくって待っていてやるからさ」


半同棲生活を送るようになって知ったけれど、柊介は料理も上手いし家事もちゃっちゃとやってしまう。
料理も家事も下手な私は、女としての自信をなくし気味でいた。
私もちょっとは頑張らないといけない…。


「いいわよ。今夜は私が―――」


言いかけてはっとした。
手に社食のランチセットを持ち、ほわんとした表情で私たちを見つめている後輩二人組が目に入ったからだ。

ちょっと親密にし過ぎた…! と焦った私は二人に声をかける。