硬い胸板に手の平をあて柊介を押し除けると、くすぶった熱を冷ますようにほうと吐息し、柊介も私の腰から名残惜しげに腕を離した。
衣服の乱れを直しながら、私は努めて冷静な口調で言った。
「しばらくは、付き合っていることは内緒よ」
「できるかな」
「するの。昨日、そういうことで約束したじゃない」
「そうだったな」と向居はくすりと笑った。
「俺たちは最愛の恋人同士で最大のライバルだったな」
ライバル。
その言葉を聞いて、惚けていた思考がめらめらと再活性してくる。
そう、柊介は私の恋人で最強のライバルでもあるのだ。
「今度の企画、絶対負けないんだから」
「俺だって容赦はしない」
受けて立つとでも言うように口端を上げて向居は私を見下ろす。
「どうだ? 今企画への自信は」
「あるわよ」
私はその居丈高な視線を睨み返して、笑みを浮かべる。
「貴方のテクはすっかり盗ませてもらったわ。絶対に今回は負けないんだから」
「やれやれ叶わないな。やっと手に入れた恋人は、相変わらず軍師様だ」
「そのあだ名、やめて」
「やだよ。可愛い俺の軍師様」
愛しさを溢れさせつつ、その目にはどこか冷静な緊張感をもはらんでいた。
まったく違う感情を併せ持つその瞳を見て、私は気付く。
私達、この先もこうして求め合いながら競い合うスリリングな関係でいるのね。
思わず笑みがこぼれて、私は悪戯めいた顔で柊介に言った。
衣服の乱れを直しながら、私は努めて冷静な口調で言った。
「しばらくは、付き合っていることは内緒よ」
「できるかな」
「するの。昨日、そういうことで約束したじゃない」
「そうだったな」と向居はくすりと笑った。
「俺たちは最愛の恋人同士で最大のライバルだったな」
ライバル。
その言葉を聞いて、惚けていた思考がめらめらと再活性してくる。
そう、柊介は私の恋人で最強のライバルでもあるのだ。
「今度の企画、絶対負けないんだから」
「俺だって容赦はしない」
受けて立つとでも言うように口端を上げて向居は私を見下ろす。
「どうだ? 今企画への自信は」
「あるわよ」
私はその居丈高な視線を睨み返して、笑みを浮かべる。
「貴方のテクはすっかり盗ませてもらったわ。絶対に今回は負けないんだから」
「やれやれ叶わないな。やっと手に入れた恋人は、相変わらず軍師様だ」
「そのあだ名、やめて」
「やだよ。可愛い俺の軍師様」
愛しさを溢れさせつつ、その目にはどこか冷静な緊張感をもはらんでいた。
まったく違う感情を併せ持つその瞳を見て、私は気付く。
私達、この先もこうして求め合いながら競い合うスリリングな関係でいるのね。
思わず笑みがこぼれて、私は悪戯めいた顔で柊介に言った。



