男は一瞬、本当に一瞬だけ私に視線を移すと「彼女か?」と彰に聞いた。 その一瞬、見つめられた私の瞳は動けなくなっていた。 そこに男の視線はもうないのに、私の瞳は男と重なり合う事を求めているかのようにただ一点を見つめている。 「違うよ。前に話したじゃん!!友達できたんだって!!」 「そうだったか?」 首をかしげる男の体から、この声が響いているなんて違和感を覚える。 「ミナ、俺の先輩のシン」 「どーも」 彰がわざわざ紹介してくれたことにより、私の瞳はもう一度冷たい瞳と交わることが出来た。