「動画以外の戦闘データもありますか?教えて頂けると助かります。」



お姉様も優しくそう言った。



「ただ、そのレベルになってくると、倒せる人間も限りが出てくる。」



「そうだね。いざよう精を倒すとして、悪魔討伐ですら学生を呼んで…元隊長もいない今、彼らを最前線には送りたくない…。」



「けど、俺ら世代じゃないと勝てないんだろ?」



「うん……。」



私は、ゲキに説得されてしまう。説得というより、丸め込まれる。の方が正しいのかな。



「んじゃ、やることは決まったかな。俺は国王として外交しつつ情報を集め、国を維持する。」



「私は、ラナフレムのシラクスの部屋に行ってみようと思います。」



「俺は、狙撃隊に話してくる。今隊長だし。一応。」



「私は…特攻隊の皆にちゃんと言うよ。タクトさんの裏切りも、隊長が亡くなったことも。」



「私は、貿易商社で情報収集してみるね。…あっ!!取引の時間が!!」



ごめんね!と言うと一礼して、部屋を出ようとした。



「待てシオン。行ってもいいが、とりあえずよう精元党首代理を部屋まで案内してくれ。それと、ウェルティフル動かすようフレアに…」



「いくらカイラ君の要求でも…それは呑めねえよ。」



いつも通りの、兄様だった。けど、シオン先輩は、半分本性だった。