「…あ、これで終わりみたいです。」



これには皆考え込んでしまった。



「それで、タクトと世界の根本的な解決策は?」



痺れを切らしたスズさんが言うと、みんなハッとした。



「まさか…考えてなかった?」



・・・チーン。



「まっ、なんとかなるっしょ?」



軽いノリのカイラ兄様に、スズさんは本気で焦っていた。



「なっ、なんとかなるって何!?あんたたち、このままじゃ本当に世界がなくなるわよ!?」



「じゃあ聞くけど、お前らで世界を助けようと言う気は微塵も起きなかったわけか?」



「それは…。」



「そもそも、これって身内の不祥事だろ?さんざん精霊だの何だのと大きな顔してきて、今更力を貸してくれなんて、ちょっと虫の良すぎる話じゃねえか?」



「そっ、それは…。」



鋭い瞳のカイラ兄様に、スズさんは一歩下がりそうだった。



それを見たお姉様がため息をつくと、兄様は肩の力を抜いた。