それでも歯車は回っていく3 〜王国滅亡編・下〜

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3人が孤児院を退散して王宮に戻った後、同日の夕方には院長が院長室の屋根裏で監禁されて発見されたらしい。報告の手紙をくれたタイガ曰く、ユキナの部屋が空いたことを知って一目散に向かったが、精霊力がない人間が開けられないように細工してあり扉の前で喚いたとか。


まあ、入ったところで使えそうな資料は全てファレリアが持って行ったから、今度は泣き崩れる事間違いなしだ。



「ふぁ〜。4徹目の公務はいつにも増して眠いですね…。」


と呟きつつも、昨日孤児院に行って強引に休暇を取ったことで仕事は詰め詰め。今は貴族会会議場から自分の執務室へ足を運ぶ。


「お待ちくださいファレリア様。」


「あら?リクさん。お久しぶりですね。」


引き止めたのはリク・アスカだった。彼はカイラとシオンの学生時代の同級生で、今は王宮の研究者として働いている。フィーネやファレリアと共に生徒会に所属していた程の実力者だ。


「その、フィル様の現状は…。」


「ひとまず、術式を使う自信を取り戻させました。」


「ッ…。」


「どうしたの?そんな顔をして。」


「孤児院を訪れる前に、あなた様はこう仰いました。」


『彼女(フィー)は、術式が使えなくなったわけじゃない。使いたがらないだけです。』


「ええ、予想は的中しましたよ。彼女は無事、元どおり術式を使えるようになった。」


「寿命を短くして。ですか?」


「…。」


「貴女の考えも、行動の意味も、きちんと口に出してください。術式には使える限界がありますし、人は「察する」ことに限界にがあります。術式も、考えも、伝わらなければ意味はないんですよ。」


「一応、頭の片隅に置いておきますね。しかし、伝わらなくていいんです。理解されなくていいんです。この運命に、抗うことができるなら。」


「貴女は一体、なにを企んでいるんですか。」



「それは…神のみぞ知る。ですよ。」