「まず、よう精は世界中の森の精霊力を、術式を生み出したという魔女を現世で作るためにかき集めている。
そのせいで、精霊力が吸い取られた森は黒くなって、再生不可能になっている。と。」
『己が完全な状態で術式を使えば数日で元に戻る。再生不可能ではないぞ?』
「(ややこしくなるので、今は静かにしましょうか。)」
私の中で入れ替わりそうになった水神様を止めた。
「そもそも、何でまた魔女なんて欲しているんだ?術式を作り出した存在を、術式がある世界に呼んで何しようと?」
「それは恐らく、術式そのものを消し去るのでは?作ることができたなら、その逆も然りです。と、以前シラクスに言われました。」
お姉様がゲキに言うことで、多分間違いはない。けど、それなら器という私を攫ってからでもいいはず。他に理由が…。
「あたしが傷つけられていた理由はもう一つあるのよ。よう精の本拠地で見てしまった、水の中にいる少女よ。多分、タクトが昔愛していた少女。
その少女が生きていたであろう頃、私はまだ子どもだったから直接会ったことはないけれど、愛していた存在がいたと言うことは当時、皆周知の事実だったわ。
その名を、アルト・リン・クラフィネイト。水神様が人の身を借りて生きていた時代のモノよ。」
「おい待てよ。アルト様って言ったら、ヴィーナス史上の中でも偉大な王女の娘だろ?」
ファラ様、シン様、アルト様の時代は、初学校ですら必修科目になっている。他国でも世界史では絶対に習う人物。
そのせいで、精霊力が吸い取られた森は黒くなって、再生不可能になっている。と。」
『己が完全な状態で術式を使えば数日で元に戻る。再生不可能ではないぞ?』
「(ややこしくなるので、今は静かにしましょうか。)」
私の中で入れ替わりそうになった水神様を止めた。
「そもそも、何でまた魔女なんて欲しているんだ?術式を作り出した存在を、術式がある世界に呼んで何しようと?」
「それは恐らく、術式そのものを消し去るのでは?作ることができたなら、その逆も然りです。と、以前シラクスに言われました。」
お姉様がゲキに言うことで、多分間違いはない。けど、それなら器という私を攫ってからでもいいはず。他に理由が…。
「あたしが傷つけられていた理由はもう一つあるのよ。よう精の本拠地で見てしまった、水の中にいる少女よ。多分、タクトが昔愛していた少女。
その少女が生きていたであろう頃、私はまだ子どもだったから直接会ったことはないけれど、愛していた存在がいたと言うことは当時、皆周知の事実だったわ。
その名を、アルト・リン・クラフィネイト。水神様が人の身を借りて生きていた時代のモノよ。」
「おい待てよ。アルト様って言ったら、ヴィーナス史上の中でも偉大な王女の娘だろ?」
ファラ様、シン様、アルト様の時代は、初学校ですら必修科目になっている。他国でも世界史では絶対に習う人物。

