それでも歯車は回っていく3 〜王国滅亡編・下〜

「くっ。調子乗るんじゃないわよッ!!連鎖爆弾・承!」



空中のそこら中で、爆破が起こった。



「まずい!!」



爆破域と爆風が強く、流石のオウナも呑まれそうになって一旦タイガの元へ転移(と)んだ。



「いやあ、戦闘が本職の奴にはブランクってもんがないんやない?」



「そうでもないよ?最盛期の、2分の1くらい。」



「それで1/2はバケモンやて。それに加えて今の攻撃。ユキナのこと意識しまくりやな。」



「バケッ!?まあ、お姉ちゃんみたいな存在だったからかな。そう言うタイガもでしょ?」



戦闘中。のはずが、思いの外なんでもない話をしている二人。いや、そうやって気を保っていないと、負けると思ってしまいそうな敵。気持ちから負けるわけにはいかないのが、精神論派寄りの二人。



「あたしで球蹴り遊びしたこと、後悔させてあげる!!連鎖爆弾・展!」



爆破の連鎖は一直線に展開されてくる。が、二人は転移もしない。



「精霊力付与。タイガ!」



タイガに精霊力付与をすると、さっきの脱力感が一気に消えた。



「ったく、わかっとるて。日本刀・燕返し!」



まさかの下から上に振り上げて爆線を真っ二つにした。



「と、思うじゃない!?結!」



その瞬間だった。



「マヒナ。何勝手なことしてるんですぅ。」



「げっ、タクト様!?」



マヒナの腕にあった通信術具から、特攻隊の裏切り者でよう精当主タクトの声がした。連鎖爆弾は跡形もなく、何事もなかったかのように中断された。



「一度戻ってきて欲しいのですよぉ。」



「でも、これは仕事に…。」



「命令を出した覚えはないし、自由とはいえそこはリコの領分なのですよぉ〜。」



「で、でも…。」



「聞き分けが悪いのですよぉ。僕の命令が聞けないなら、リコがどうなっても?」



優しくない語尾に、ワントーン落ちた声。速攻で術式を解除して、ブロンド色に透き通る羽を広げた。
「チッ。命拾いしたわね。」



そのまま180度逆を向いて、常人では認識できない速度で飛んで行った。



「え?何、どういうこと?」



「とりあえず、セーフやったか…。」