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「えっ?…ん!?」



気がつくと、私は8、9歳くらいにまで幼くなっていた。



「フィーネちゃん。ぼーっとして大丈夫?」



「あっ、うん…。」



「それじゃあ、皆のとこへ行くよ。」



手を引かれるがままたどり着いた目の前に、上は17、下は8歳の少年少女。あの孤児院の砂地の練習場。それに、ユキナさんが生きている?



「…では、練習を始めます。自分の属性で小さな球を作って、あそこの的を狙ってみましょう。…じゃあ、最初はタイガかな。」



「ん、りょーかい。」



私の2個上だったから、多分このタイガは10歳くらい。白髪に獲物を狙うトラのような瞳で、私を除けば孤児院の子の中ではダントツトップの実力者。いつも俺様状態で、孤児院では年上をも従えていた。



「危ないから、念のために皆は下がっておいてね。」



そう言って、無詠唱の上級防御壁を作った。



タイガは的の正面に立つと、迷いなく術式を発動する。



「唸れ、吠えろッ!中級術式、鎌鼬(かまいたち)!!」



「えっ───。」