「最初のはいいが2つ目の方は自分たちでやってくれ。こいつの父親に、戦場に行けなんて到底言えない。」



そう言ってお腹を撫でたシオン先輩。けど、兄様は無慈悲だった。



「カイラ(そっち)の「要求」じゃねえ。今は国王の「命令」だ。」



バチバチと視線を交わす二人。これにはお姉様も仲裁しなかった。



「いい。もう知らね。好きにすれば?国王様のカイラ陛下。あたしらは先に失礼しますね。」



「ありがとう、取り合ってくれて。」



スズさんが言い残したものの、これでもかと言わんばかりに鳴る扉の閉まる音。彼女の態度が無礼なことも、この場の全員が分かっている。が、誰も、何も言えなかった。