私の前に浮かぶのは、白い大きな羽、白くふわふわとした髪、白い服に包まれた熾天使。








……と、






黒い大きな羽、黒くストレートな髪、黒い服に包まれた………堕天使だった。




熾天使は、使い魔としては神級のトップクラス。白竜とも並ぶ強さで、全属性だ。



ただ、堕天使なんて…見たことはなかった。

「使い魔は…一体のはずじゃないの?」


2人にそう問うと、熾天使は悲しそうな表情で語りだす。






『神様は、いつもお一人でした。
その気持ちから出来たのが私達、天使です。

神様は白の私、黒のこの子を作り出しました。しかし、私達のどちらが神様に近いものか民は争いました。

その結果、人々はこの子を天界から追放したのです。
私は神様にお願いしました。
私達2人を1人にしてくださいと、時は流れその結果が現在です。』





「2人で1人…ということ?」


『はい。私は、セシラと申します。』


熾天使が答える。


『私は……ラピスと申します。』




セシラと、ラピスね。

「…私と…契約してくれますか?」


『もちろんです。ラピス、良いかしら?』


『もちろん!』




『右の手で私と、左の手でラピスと手を重ねてください。』



「…こう?」


手のひらをセシラとラピスに合わせると、ニコリと微笑む。






『契約は完了です。』



セシラとラピスの声が耳に届くと、光は消え辺りには目を点にするクラスメイトの姿が見える。