オレはめちゃめちゃにボコられた。

油断してたって事もある。

気づくと、何人かの男達に囲まれていて、そのうちの二人は凛を連れ去り
残りはオレを殴り続けた。

もちろん抵抗したぜ?オレだって素直に殴られてる程Mな訳じゃない。

できれば、コイツら全部倒して凛を助けに行きたかったが…思うだけで実行に移す事はできなかった。

そして力尽き、無様に転がっていたオレを楽しそうに上から見ていた男が言った。

「意外と元気そうじゃないか?'藤紀'」

「…山本先生、か…」

コイツの仕業なんだ

オレは身体の痛みを堪え何とか起き上がった。
それを見た先生は、しゃがんで後ろからオレの髪を引っ張った。

「一緒に行こうか」

「どこへ?」

「わかってるだろう?」

「…凛を何処に連れて行く気だ?」

「心配する必要もないだろ?もう会う事もないんだし。まったく、お前は余計な事をしたよな!」

「余計な事?凛と会った事か?」

「二人共、見事に俺の邪魔してくれたよ・なっ!!!」

そう言って先生はオレの顔を殴った。

「──…てぇ…っ」

そして先生はさっきの男達に指示していた。

「大人しくなったら車に乗せろ」