「オレどこにも行かないよ?」

「トーキ…ぅ…ぇぇぇん…」

サラは突然泣きだした。
そう…サラは一人になるのが怖かったんだ。

オレは慰め方も励まし方も知らないけど、ただ一つ。

出来る事をした。

「サラ…一緒に住んでもいいよ」

「だ、だけど…」

「お前とならオレ上手くやっていけそうだし…彼が戻ってきたらそっちに行けばいいし」

多分、サラと恋愛する事もない…
でもいつか…自分の事を話したいって思えるヤツだった。

『友達』くらいは求めてもいいよな…?



─恋する事が出来ないのなら──



「でもオレ、一つ不満なんだよな…」

「え?な、何?!」

「ココ広すぎるだろ?引越ししないか?」

「いいよ。トーキと住めるならドコでも」

「何か…同棲するみたいだな。知らないヤツから見たらそう見えるか?」

「かもね」


翌日、さっそく二人で住む為の部屋を探し、引越しする事を決めた。

それから
オレとサラの奇妙な共同生活は始まった。


そして現在…
あれから一年以上が過ぎても、サラの彼氏は帰って来なかった。

なのに何故?
いまさら自殺未遂なんかしたのか…


サラを守れなかった自分が悔しかった。