ある村〜人狼ゲームanother story〜【更新停止中】

ー10年前ー
いつもいつもあたしばっかり。あの子には何も言わないのに。これは次期当主となるものの宿命だとか意味わかんないし。あたしは周りと同じようにはしゃいでみたいのに。

「ねえ、いっつも暗い顔してるけどどうしたの?ずっと気になってたんだけど。」
「急に何よ!あんた誰なの?」


急に話しかけられて心底驚いた。
あー、ちょっと口調きつかったかな。


「私?私はみのり。稲葉みのりだよ。あのさ、悩んでるならぜーんぶ吐き出した方がいいと思うよ。私はいっつもそうしてる。」


そう彼女は私の口調なんて気にしないでノーテンキに答えてくれた。


だからかな。出会って間もないのに、まだ名前しか知らないのに。理由もなく信用してしまった。その言葉のあとあたしは胸に溜まったストレスを吐き出していた。



「っっっなんであたしばっかり。勉強ばっかりしてなんにも楽しくない!当主の心得とか6歳の子供に教えること?おかげで話が合う同年代の子がいないよ!」

こんなの人に言っても仕方ないのに。

「あーわかる。うちもそうなんだよね。無駄に勉強させたがるの。さすがに当主の心得はないけどね。みんなと遊んでても言ってることが幼すぎるんだよね。ま、偉そうに言っちゃダメだけどね。」
「クスッ」

「あ!笑った!よかったー。」

は?

「なんであんたが喜ぶのよ。」
「やっぱ人は笑ってた方がいいって!」

そう言って満面の笑みを浮かべている。なんかみのりさんの周りだけあったかい気がする。

「あ、そうだ!ねえ、貴女名前は?」

私?私は

「麗亜」
「レーア?」
「麗亜よ、れ・い・あ。」
「麗亜ね。よろしくね!あ、もう行かなきゃ。じゃあね!」
「あっちょっと!待ちなさいよ!まったく。忙しい奴。」

初めて出会った日のことは今でも忘れない。あの時、あたしの救世主だったんだよ。