「佐藤さん。」

「若山さん、それに町まで。どうしたんスか?」
「この村も寂しくなりましたね。」

「えっっ?」
「悲しいことにこの村で残虐な殺し合いがあっただなんて世界の誰も知らないし気に留めない。その中にあった感情もね。」
「っっっ!」

「強がらないで泣いてもいいと思いますよ。」

さっきまで晴れていたのに今は雨が降っている。

俺にだけ、雨が降っている。