「…え?」
聞いて、我に返った。
「ごめん、忘れて。」
急に顔が熱くなって、それが君に見られるのが嫌で。
思わず下を向いた。
「ぷっくくっ」
「笑うな」
「いや、ごめん。うん、桜の妖精か、いいね」
「え?」
馬鹿にされるかと思ったのに。
案外君はお気に召したようで。
ニコニコとまた綺麗に微笑んで。
「ネオちゃんがそう思うならそれでいいよ」
「は?いいの?馬鹿にしないの?」
「なんで?綺麗なネオちゃんが考えるなら凄く素敵なことだ。」
_なんでこんな私のこと
そんな私の心の声はご満悦な君には聞こえるはずもない。
「私は」
君が思ってるほど、綺麗じゃないよ。
そう言いたいけれど、言葉は喉に何かが詰まってるみたいに出てきてくれない。
「チハルは綺麗だからそんな事軽々しく言えるんだ」
やっと出てきた言葉は、君を傷つける汚いもので。
君を傷つけると分かっていて言った私も汚くて。
全然、綺麗じゃない。

