「…………」


馬鹿なのか、私は。


昨日チハルが明日もここで待ってる
と言ったのを信じて、
今日もこの桜並木に来てしまった。


それはまだ許せる。

だってあんなに綺麗な人から明日も待ってる、

なんて言われたら世の女子達は誰でも来るだろう、逆に来ない人がいたら教えて欲しい。



それよりも、だ。



「なんであいつは来ないんだ」



チハルが来ていない。


昨日約束(あれを約束というのか少々疑問だが)したのに。

私が気が向いたら、なんて曖昧な返事をしたからか。

しかも昨日に引き続き傘を忘れた私は先程から降り出した雨に降られていた。




「寒っ、帰ろうかな」




待つのも馬鹿らしくなってきて帰ろうとした頃。




「風邪ひいちゃうよ。」