カーテンの隙間から射し込む光の眩しさに少しずつ目が覚めていくのを感じた




「ん……」



まだ覚醒しきれていない声は掠れていた



あ~暖かい




すっきりしない頭でも今の自分が幸せで充実しているのだと感じる
ずっと目覚めた時から感じていた温もりの理由を思い出して一気に覚醒した




腕の中にある小さな温もり
身体中に広がる愛しい感情
今まで感じたことのない充実感

きゅっと腕に力を籠めれば腕の中の愛しい人が胸に頬を擦り寄せてきた



や、ヤバい

可愛い
可愛い
何?これ?



可憐ってこんなにも可愛いかったっけ?



久しぶりのシチュエーション
土曜日の朝、目覚めれば隣には女性


ここ、何年も無かった


高梨には枯れた男だと言わんばかりに憐れみの目を向けられていたけれど
ざまぁ、見ろ



と、言いたいけれど



残念ながらと言うのか……
俺も可憐もちゃんと服は着ている
と言うことは、紛れもなく一線は越えていない


それでも、身体中に感じるものは今までどんなに綺麗な女を抱いても感じることのなかったものだ
今までわからなかった'好き'の感情が今感じているものなんだとわかる
この気持ちが'好き'なんだと



「あき、ら」



ドクンと心臓が飛び出るかと思った
ロボットの様にカチカチに固まりながら可憐に視線を移すと
スーっと小さな寝息が聞こえた