ガバッと抱き締めていた身体を引き離した


「い、今……」

「彰……」


可憐の手が俺に伸びてくる
その手をぎゅっと握りしめた





「離さないで……彰……大好きだよ」



奇跡だと思えた




好きな相手に好きになってもらえるなんて奇跡だと思った瞬間今までの彼女たちへの申し訳なさを感じた



「可憐……マジ?」

「マジマジ!大真面目!さあ!彰?恋愛初心者ってなに?誠くんって何?」

「あー、」

「あ、あと久しぶり?夢中だったっけ?」

「くっ、」


可憐のくせに!
ニヤニヤと俺を見るそこには角と尻尾が見えた


「悪魔め!」

「そこは可愛く小悪魔でしょ?」

「くっ、」



コテンと首を傾ける姿は確かに可愛くって
これが惚れた弱味って訳か!



「彰……私もいっぱい話をさせて?
今までのこと……
もしかしたら、重たくて嫌になっちゃうかも……
気持ち悪いかも……」

「可憐……恋愛初心者を」

「「なめんな」」



二人で笑いあった



嫌になるはずがない
寧ろ、それはこっちのセリフだし



「可憐……そんな心配はいらないから
俺だって同じだ
そんな俺を可憐は嫌いになるか?」



涙を浮かべながら首を振る可憐の姿に俺達二人の気持ちはきっともっと前から繋がっていたのだと思った



「気付くのが遅くてごめんな」