三年間の付き合いで知らなかった事、初めての事がたくさんあることを知った

俺は会社の可憐や飲みに行った時の数時間の可憐しか知らない
でもそれは可憐も同じだ
俺の事を知らない


ふと、怖くなった



「彰?」


俺の部屋に連れてきたのは良いけど、手を繋いだまま見つめるだけの俺に痺れを切らしたのは可憐の方


怖い
自覚すればするほど怖くなった





'可憐が俺の傍から離れるのが怖い'



俺はこんなにも臆病だったのだろうか
今思えば頑なに可憐への想いを否定していたのが何故だったのかとさえ思う

本当の俺を知っても可憐は俺の傍にいてくれるだろうか?
だったら、今のまま……

いや、もう無理だ
可憐を女として感じてる
傍に居るだけじゃ満足できない


だから尚更、可憐を失うのが怖い




「彰……ちゃんと話しよう?」



優しく紡ぐ言葉にグッと込み上げてきた
可憐はこんなにも包容力があったのだろうか



「一つだけ先に言わせて欲しい」


話をするのはその後だ
どうしても言いたい
そして、知りたいんだ



可憐の気持ちを




「可憐……俺は可憐の事が好きだ
俺と付き合って欲しい」




真っ直ぐとはっきりと伝えた
言葉にした瞬間、言い様のない感情が沸き上がってきて




泣きそうになった