「兄ちゃん、俺の相手してくれや」



チビチビとビールを飲みながら焼き鳥を食べていたらビール片手に店長が来た


「兄ちゃんはあんまり強くねぇからな~」


そう言って、俺のコップにビールを注いだ

他のお客は良いのか?と思ったら若い男性がいた


「彼、バイトの方ですか?」

「そうそう、一週間位前から来てくれてんだよ
愛想良いし、兄ちゃん程じゃねぇがイケメンだろ?
お客さんが喜んでな、俺は用なしだよ」


背も高くてかなりのイケメン
申し訳ないがこの店には不釣り合いな程


「兄ちゃん、失礼な事思ってるだろ」


と、豪快に笑う

たぶん、いやわかった
きっと、彼もこの店長に惚れた一人だ

人柄もそうだけど、料理の腕も
今までにも何人か店長の店から巣立って
その中には有名な料理人になった人もいると聞いたことがある




「可憐はよく誰と来てますか?」


いきなり脈略のない事を思わず聞いてしまった


「ははっ!彼氏と来たってのが気になってんだろ?」

「ち、違いますよ!」

「彼氏ってのも嘘じゃねぇけど、同僚か?後輩か?女の子が多いぞ」

「まぁ、あれで結構慕われてるみたいなんで」

「ありゃー良い女だよ、酒も強い!
俺もあと30いや、20若かったらな~」

「奥さんに言いますよ」



店長と二人で話す時はだいたいがいつも可憐の話になる

まぁ、共通の知人ってやつだしな