「あ、あのさ………俺で良ければ………」
「やっぱり………」
「え?」
「可憐さんなんですね………」
「へ?」
受付嬢はキラキラと瞳を輝かせていた
「お二人は噂にはなってましたけどそんな感じにも見えなかったから………」
「え?なに?え?」
「可憐さんなら仕方ないです!」
「え、いや、ちょっ………」
「可憐さんの声聞こえただけでじっと可憐さんを見つめて………
私なんて眼中に無かったですもんね!
こうもハッキリ見せつけられると諦めもつきます!聞いてもらってスッキリしました!
じゃあ、お幸せに!」
え?え?えー?
おい、聞いてた?
俺、今「俺で良ければ」って言い掛けてたよな?
いや、言ったよな?
受付嬢はスキップしながら去って行った
それはそれは、嬉しそうに
ちょっと待てーっ!
ちゃんと俺の話も聞け!
俺はあんたと付き合うつもりだったのに
何、完結しちゃってんの?
何、決めつけてんの?
スッキリすんな!
勝手に諦めるなよ!
「お幸せに!」ってなんだ?
誰とお幸せになんだよ!
俺はあんたとお幸せになるつもりだったのに!
「可憐さんのこと、大好きって感じですね!」
受付嬢は去り際にこっそりと俺の耳に囁いた言葉
大好き?誰を、だよ!
好きってなんですか?