「吉岡さん、あの…………私ずっと吉岡さんの事見てて……素敵だなぁって……
彼女居ないって聞いたんですけど、良かったら付き合ってもらえませんか?」




見たか!高梨!俺も本気出せばこんなもんだ!

モンモンとした土日を越えて出社した月曜日
なんと、昼休憩受付嬢に呼び出された

呼び出された時点でなんとなく話は想像ついたし想像通りだった

可愛いと評判の女だ
これはチャンス!
断る理由がない!

土曜日に決意したんだ
告られたら付き合おうと

可憐の事は好きだけど、男女の好きじゃない
俺に彼女が出来れば高梨も納得するだろ




「あぁ、いい「課長!それ酷くないですか~?」」



「いいよ」と答えようとした時に耳が拾った声に思わず振り返る


そこには、海外事業部の課長と可憐の姿が見えた


向こうはこっちには気付いてない



「はは、酷くなんてないぞ?山城は人気者だからな」

「そんなにおだてても何もありません」

「そう、怒るなって」



課長が可憐の背中をトンッと叩いた



ムッ



なんか気安くないか?
可憐のくせに何触られてるんだよ?
二人は仲良く笑いながら去って行った




「吉岡さん?」

「あ、ごめん」



告白してくれた受付嬢の声にハッと我に返る