そのまま腰を引かれて寝室の中へと連れ込まれる。直矢さんがベッドに沈むように座ったから私はその上に追いかぶさった。

「美優、好きです」

「私も、直矢さんが好きです」

視線を交わし、お互いを貪るように深いキスをした。

「次は美優の方からキスを求めてほしいと言ったけど、まさか抱いてと言われるとは思いませんでした」

直矢さんの首にキスをしている唇を慌てて離す。

「嫌……ですか?」

こんな誘い方は男の人は嫌だろうか。また私は反省せずに同じことを繰り返している?

すると直矢さんは私の首の後ろに手を当てて引き寄せる。そうして唇を優しく重ねる。

「積極的な美優も大歓迎です」

勇気を出した言葉を直矢さんは驚きも困りもせずに受け止めてくれた。










「ありがとうございました」

空がほんのり明るくなってから車でマンションの前まで送ってもらい、直矢さんの車から降りようとしたとき「美優」と呼び止められた。

「会社では僕たちのことは秘密にしておきましょう」

「ああ、そうですね」

バレてもいいけれど恋人同士という印象が仕事に影響するのは嫌だった。

「今だけですよ。いずれきちんと上司にも報告しましょう。僕は真剣ですから」

「はい」

私への気持ちは十分伝わっている。仕事に真摯な直矢さんだからこそ今は内緒にするのだ。

「それから、何かやることがありませんか?」

「やること……ですか?」

「次は美優から求めてほしいと僕は言いましたよね」

直矢さんは意地悪く私の顎に指をかけた。