「自信……とは?」

「あの、色々と……」

不思議そうな顔で見返されても言葉が続かない。
何て言ったらいいのだろう。女としても魅力がない、元カレに抱かれない体だ、と言うのは恥ずかしい。

「た、勃たないって言われたんです……」

「え?」

「元カレに……抱けないって……」

これだけ言うと泣きそうな顔を見られたくなくて直矢さんの胸に顔を埋めた。

バカみたいだ。こんなことを直矢さんに言う自分が。

「私には女としての魅力がないんです……だからきっと直矢さんもがっかりします……」

欲情されない体。連絡をしなくても大丈夫だと思われた存在。私はその程度の女だ。

静かに私の言葉を聞いていた直矢さんに頭を撫でられた。

「美優は魅力的です。思わずキスしてしまうくらい。美優が次に僕の部屋に来たら一晩中寝かせないほど求める自信があります」

耳元で色気を纏った声で囁かれて体の力が抜けるほどゾクゾクする。

「怖いんです……いつか直矢さんが離れてしまうかもって」

他の女性に気持ちが行ったら? 納得できない別れをしたら?

「美優が僕に飽きても、僕はずっと離れない。それを証明し続けます」

涙が溢れる。欲しかった言葉を直矢さんは簡単に、でも私の心に染みこむようにはっきりと口に出す。

「だったら、今証明してください……」

「え?」

「抱いてください……」

そう言うと直矢さんは一層強く私を抱きしめる。

「美優が望むのなら、僕は遠慮しませんよ?」

私の耳元で低く囁くから、私も直矢さんの耳元に顔を寄せ「今夜は帰りません……」と囁いた。