桜時雨の降る頃

しばらく3人とも無言で歩いた後、

沈黙に耐えきれなくなったわたしから口を開いた。


「……どうして来たの?」

先に帰ったんじゃなかったの?という思いから出た言葉だった。


「杉崎が教えてくれたんだよ。雫が呼び出し食らってたって。心配してたよ」

佳奈ちゃん……
そうか、あの後知らせに行ってくれたんだ。


「お前、俺らに近づかないとか何おかしな約束してんだよ」

ちょっと怒ったような口ぶりで朔斗がわたしを睨む。

「だって、ああでも言わなきゃ解放されないじゃん」



「つーかさ、なんで俺らに言わないで雫に言うんだ? 女って陰険だよなぁ」

朔斗は、わたしにも先輩たちにも腹が立っているようだ。


「雫、他にも嫌がらせされてたりする? 正直に話して」

陽斗が真剣な面持ちで尋ねてきたので、わたしはその顔をじっと見返した。


今回の先輩の件に限らず、
同級生の一部の女子にも妬まれて些細な嫌みを言われたりはあった。