刻に忘れられた旅人


「……なに?」

「だから、一緒に遊びませんか?」

「どうして見ず知らずの君と遊ばないといけないの?」

「暇だからです」

 答えになっていない。暇だから見ず知らずの僕と遊ぶって、どんな発想だ。

「悪いけど無理だよ」 

 そう言っても彼女は掴んでいるTシャツを放す気配はなかった。
見た目によらず強情なのかもしれない。