朝起きると枕が濡れてた。






いつの間にか涙が流れてたんだ。







腫れた目を抑えながら学校へ向かう。






学校へ着くと吾郎がいた。







早く来たから一番だと思ったのに。







「杏奈?やっぱ…昨日のダメ?」






その顔を見るといいよと流されそうになってしまう。





「……うん。…ごめんね?」







「いいよ、別に!……なーんて、言うと思った?」






「…!!」






その時にはもう遅かった。






ぎゅっと抱きしめられていた。







その手は、力強くて、でも優しくて。







「諦めないよ。






…龍が好きなんだろ?






止めろ。俺にしろ。」







!!






いつもは優しい口調の吾郎がこの口調になった事に一番びっくりした。





なぜかドキドキいう胸。







これがどうしてドキドキしているのかなんて、私には分かりっこなくて。







「…ご、吾郎には…、もっといい人…いるよ。」






「だな。






だけど、俺はお前がいい。






俺が不利でもいい。






だから、今すぐ俺と付き合え。」







そう言われて、はい以外の言葉なんて出てこなくて。