そうっと離れて見たら、中村君の顔は赤くなっていた。

 私も自分からしておきながら、すっごくドキドキしてる。


「え、マネージャー……」

「い、今のは……いつかの保健室での仕返しっ」


 って照れ隠しに言ったつもりが余計に照れてしまい、照れ隠しにならなかった。


「そ……そんな仕返ししてくれるなら、俺また勝手にキスしますよ?」

「無理! 仕返しは、一回だけ!」


 そんなに何回も出来ないよー!


「あ、そうですか……」

「仕返しは、しないけど……」

「はい?」

「また、勝手に……キスして、くれる?」

「……はい」


 中村君は私を引き寄せて、

 勝手にキスをした。




      ―END―